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2014年10月12日日曜日

起業家への憧れが迷いをなくしてくれる-『IDEAL Business 若者達へ告ぐ。』



40歳を過ぎて、この先自分のキャリアをどのようにしていきたいのか、ぼんやり考えるようになりました。これまで転職を繰り返しながらキャリアアップを図ってきましたが、気が付けば、今の会社が最も長く居ることになっていました。

家を買い、子供の教育費がかかるようになると、守るものがどんどん重くなり、簡単にチャレンジできなくなっているのを実感します。「これでいいのだ」と思う自分と、「これでいいのかな」と思う自分。二人の自分の間で揺れ動きながら、ここ数年を過ごしてきました。

今の会社で、このままキャリアを全うし、会社の成長に自分の成長を重ね合わせて満足するか、より良い条件や環境を求めて転職の機会を伺うか、自分で何かを始めるか、株で一発当ててリタイアするか、堂々巡りで頭の整理がつきません。きっとやりたいこと、ありたい自分の姿がはっきりしていないからなんでしょうね。

この本は、18人の経営者をカラー写真をたくさん使って紹介しています。文字数は少なく、ビジュアルで印象付けながら、簡単にそれぞれの経営者の生い立ちや起業の経緯、経営理念などを解説しています。頭の中が混沌としているときには、ビジュアルから直感的な憧れを感じられると、モチベーションにつながってきます。

この本の中で、一番印象的だったのが、㈱ポジティブドリームパーソンズ社長の杉元崇将氏が学生時代にある先輩から言われた、「意味もなく電車に乗って、意味もなく出社して、意味もなく仕事をしていれば犬と一緒じゃないか」という言葉です。自分自身を振り返ってみると、客観的な条件や環境は悪くないのになぜかもやもやしている理由は、今の仕事に意味を見出せなくなっているからだと気付きました。

一応若者向けとはなっていますが、チャレンジに年齢制限はありませんので、何歳で読んでもいいんじゃないでしょうか。


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2014年9月21日日曜日

大企業が沈没していく中での人間ドラマ-『会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから』



三洋電機は一部の事業部は切り売りされ、パナソニックに吸収された本体も、SANYOブランドが消滅したことで、跡形もなくなってしまいました。本書は三洋電機の末期、すわなち創業家の井植敏氏とその長男の敏雅社長、そして敏氏に引っ張られて会長に就任したジャーナリストの野中ともよ氏という創業家サイドと、増資を引き受けたメインバンクの三井住友銀行とゴールドマンサックス、大和SMBCという金融機関サイドとの攻防という経営側の視点と、同時期の現場での反応や思いを交差させながら描いています。

2000年代はじめには、三洋電機はソニー、シャープと並んで日本の電機メーカーの勝ち組として3Sと称されていた。その当時、井植敏氏は「ナニワのジャック・ウェルチ」とまで言われていました。その時代の三洋電機は、自社ブランドという点では他の日本メーカーに比べると一段落ちる扱いではありましたが、デジカメはOEMを含めた生産台数は世界一でだったり、アメリカでのテレビの販売台数が一位であったり、携帯電話もドコモに参入できなかった分、auでは先進的なモデルと常に提供し、一定の存在感を示したりしていました。その他、電池や産業用の空調、冷蔵庫などでも高い評価を受けていました。当時売上高は2兆円を超え、従業員は世界で10万人にもなっていました。

同じく3Sと称されていたシャープは液晶パネルで飛躍的な成長を遂げたものの、その後過大投資が重荷となり、一時は経営危機が囁かれ、現在はようやく持ち直している状況です。また、ソニーはPC部門の売却などリストラを進めているが、つい先日も決算予想の下方修正を発表し、赤字を拡大させ、業績回復の見込みが立っていない状況です。

三洋電機の消滅からどのような教訓を得ることができるでしょうか?

戦略的失敗は現場での努力で挽回することはできないということでしょうか。あるいは、家族主義的経営がぬるま湯体質となり、問題の先送りの温床となったということでしょうか。見方を変えれば、短期的利益を追求する金融機関によって、三洋電機が解体されてしまったと言えなくもないでしょう。どの視点からこの問題を考えるかによって、得られる教訓は異なってくると思います。僕が最も気になったのは、日本の電機メーカーが苦境に陥る中、技術者の受け皿が日本国内に十分にないと、技術者とともに技術が海外にどんどん流出してしまうという問題です。本書で取り上げられれていましたが、三洋の車載電池の第一人者がパナソニックの方針に嫌気が差して退職したが、おそらくサムソンに転職したのではないかという話でした。電機メーカーが苦境に陥ることは、もはや一企業だけの問題ではなく、国家的損失にもなりかねない問題だと感じました。


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2013年9月16日月曜日

経営の神様が創り出した新しい福祉の仕組み-『福祉を変える経営』


障害者が自立するための施設として、共同作業所がありますが、民間の共同作業所の現実は、障害者の自立とは程遠く、そこで得られる給料は月給1万円未満と言われています。つまり、そこは生活の糧を得る場ではなく、障害者の居場所としての意味しかなく、しかもボランティアの善意によって支えられて何とか僅かばかりの金銭を給料として支払っているにすぎません。

もちろん、福祉を支えている多くの人の善意と努力は認めなければならないでしょうが、ヤマト運輸の創業者である小倉昌男氏は、障害者の働く場である共同作業所にも経営の視点を持ち込み、市場経済の中で物を売り、サービスを提供することで、障害者の所得も増え、そのことで生活の目標が生まれて必ず次の要求が出てくる、そういうことがノーマライゼーションだと言っています。

「福祉」と「金儲け」とは本来相容れないもののようにも思えますが、福祉としての仕組みが持続していくためには、資金が安定的に回っていく必要があります。赤字の事業は長続きすることは不可能です。また、月給1万円程度では働いて稼いで生活していくというには程遠いものです。障害者が働くことで生きがいを感じられるようにしようと思えば、市場経済の中で物やサービスを提供し、適正な対価を得るという経済活動が必要となります。

小倉氏は、1995年にヤマト運輸の会長を退任した後は、ヤマト福祉財団の理事長職に専念し、障害者の自立支援にあたったそうです。民間企業に障害者雇用を義務付けることも必要だとは思いますが、小倉氏のように障害者が普通に働ける場を作り、そこで普通の経済活動ができるという発想こそが福祉には求められているのだと思います。



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2013年7月27日土曜日

『不格好経営』 南場智子

『不格好経営』 南場智子 日経新聞出版社

この本は、DeNA創業者の南場智子さんによる、DeNAの創業から今日までのドタバタ劇を綴ったものです。

ハーバードのMBAを取り、マッキンゼーのコンサルタントとして活躍していた南場さんが、いざベンチャー企業を立ち上げてみると、コンサルタントの視点では見えなかった問題が次々と起こり、創業メンバーを始め、多くの人の助けに恵まれながら、成功することができたという、心温まる話でした。

一定の成功を収めた後で振り返るから、冷静な分析もでき、笑い話にもなるのだと思いますが、渦中にあるときは、相当な苦労をされただろうと思います。それでも困難が大きければ大きいほど前向きに頑張れる力こそが、起業には特に必要なのでしょう。

泥臭いからこそ人間味のあるサクセスストーリーでした。起業を考えている人には、この本を読んでみて、どこまで自分は頑張れるのか、自分を支えてくれる仲間はいるのかと、自分自身に問いかけてみてはどうでしょうか?ぼくは、組織は嫌だ、自由が欲しいと思いながらも、そこまでの覚悟ができていないから独立や起業はできないのだということがよくわかりました。


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