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2013年9月25日水曜日

なぜ復興法人税だけ前倒しで廃止するのか-法人優遇、個人軽視の税制

復興法人税の1年前倒しで廃止することによって、税収が9000億円減ると報じられています。一方で、安倍首相は復興予算は減らさないと言い、麻生財務相は新規国債発行はしないと言っています。元々財政再建のために消費税を増税する話でしたので、増税する一方で減税するくらいなら、増税幅を圧縮した方が良いのではと考えてしまいます。

ただ、財務省の強かなところは、恒久的な影響を及ぼすものと単年度の影響で終わるものとを混ぜて議論している点です。復興法人税の前倒しでの廃止は、あくまで1年分の影響しかありません。これが法人税の実効税率を下げるとなると恒久的な影響を及ぼすことになります。また、消費税増税に伴う低所得者への配慮も、あくまで1度だけの現金給付に過ぎません。

本当の意味でのデフレ脱却から好景気への好循環を生み出すためには、賃金・給与が増える必要があります。だからこそ、企業の賃上げを促すために、安倍首相は法人税の減税を財務省に飲ませようとしています。しかし、復興法人税を廃止したくらいで企業が賃上げをしようと動くでしょうか?

そもそも、法人税を払っているのは全体の3割に過ぎません。もちろんこの3割は大企業が中心だと思いますので、従業員の割合からするともっと多いでしょう。そうだとしても、その3割の企業も単年度での減税で従業員の昇給を積極的にしようということにはならないでしょう。なぜなら、ボーナスはともかく、基本給は少しくらい業績が悪くなってもすぐに下げることはできないからです。

一方、復興特別所得税は平成49年まで続きます。そうなると、個人より法人を優遇していることになります。僕は、法人税を減税して賃上げをしろ、と言うよりは、個人の所得税を減税した方が消費という点では効果があると思っています。安倍政権は財界との関係を重視しているのか、どうも税制では法人優遇、個人軽視といった傾向にあると思われます。

<復興法人税>廃止で9000億円減収 経済対策の財源は(毎日新聞)

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2013年9月22日日曜日

リニア中央新幹線ルート発表の空騒ぎ

先週、リニア中央新幹線の詳細なルートが発表されました。東京-名古屋間に4つの中間駅ができるということで、中間駅では期待感が高まっているようです。ただ、果たしてどれだけの経済効果があるのかと考えると、どうも疑問に感じてしまいます。

JR東海は上下とも1時間に5本ずつ走らせることを想定しているということですが、正直、それだけの本数で採算が取れるとはとても思えません。料金がどんでもなく高くなると需要が期待できないでしょうから、どれくらいで落ち着くのか興味があります。

速度については、東京-名古屋間を最速で40分、各駅に停車すると72分かかるようですが、現在のぞみで品川-名古屋間が約90分ですから、あまり中間駅に停車すると速度のメリットがほとんどなくなってしまいます。そう考えると、中間駅にはせいぜい1時間に1、2本しか停車しないことになるのではないでしょうか?

正直、リニアの建設の目的は、大都市を短時間で結ぶことと、現在の新幹線のバイパスとしての役割だと思います。そう考えると中間駅は地元の陳情を受けてやむを得ず最低限度の設置を決めたというだけのことでしょう。だから、JR東海は駅の施設は最低限度の留め、後は地元で好きな様に施設を付け足せばよいという考えなのです。

僕としては、中間駅周辺で無駄な投資をして地元自治体の財政が悪化したり、JR東海に無用な圧力を掛けてリニアの効率性が損なわれることがないことを願っています。

リニア中央新幹線詳細ルート発表 JR東海と自治体の思惑のずれも(FNN)

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2013年9月21日土曜日

消費税増税と引き換えに議論される中途半端な経済対策

消費税増税が決定的となりつつある中で、増税先送りの議論からセットで行う経済対策へと条件闘争の話にシフトしています。政治は決めたことは余程のことがない限り実行するべきだとは思っていましたが、どうも話がおかしな方向に行っているように感じます。

現在話題になっているのが法人税率の引き下げと復興特別法人税廃止の前倒しや低所得者への現金給付です。別の税目で減税するくらいなら税率に引き上げ幅を圧縮すればいいと思いますし、わずかばかりの現金を配るのにどれだけのコストがかかるのか心配になってきます。

日経新聞は法人税減税に大賛成で、個人にも恩恵があると、法人優遇の批判に対して擁護しています。法人税を払っているのが法人全体の3割しかない現実を見ればいかに詭弁かがわかるでしょう。さらに数%程度の税率の引き下げで、企業の海外移転を抑制したり、海外からの投資を増やす効果が期待できるかと言えば、極めて疑問であると言わざるを得ません。企業の意思決定において、規制のあり方や人件費、その他のコストの方がより大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。

また、低所得者への現金給付についても、一人当たり1万円を配ったからと言って、どれくらい景気に影響を与えるのか疑問です。コストと労力を掛けてこんな子供だましのようなことをやるくらいなら、財政健全化を優先させて欲しいと思います。

安倍政権はこの先3年間は選挙がないわけですから、あまり目先の批判を恐れて中途半端なことをするより、もっと本質的な議論をするべきでしょう。つまり、税収がいくら必要で、それを誰がどのように負担すべきかということです。制度の微調整ばかりしていると、そうした本質的な議論から離れて税制がどんどん複雑になってしまい、それが社会全体で大きなコストになっているのではないかと心配になります。

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2013年9月18日水曜日

東京五輪決定でますます心配される建築費の高騰

2020年の東京五輪開催が決定した直後、ゼネコン株が高騰しました。これから五輪開催に向けて、会場の整備のみならず、道路や鉄道の整備や再開発が活発化することが期待されています。
そんな期待の中で、建設業における人材不足が懸念されています。

東日本大震災以来、復旧、復興需要で資材の高騰以上に問題になってきたのは、職人の確保です。現場監督がいない、型枠大工がいない、といったことで、工期が定まらず、工期が延びたり、工事の発注すら難しくなってきています。そうなるとゼネコンも割のいい工事を選別して受注するようになり、価格交渉では発注者不利の状況が続いてきました。五輪開催決定でこうした状況に拍車がかかるでしょう。

人材不足の背景には、これまでの公共事業費の削減の影響があるのではないかと思っています。職人は末端では個人や零細企業ですから、生活が安定しなければ廃業し、新たななり手がいなくなってしまいます。

現在は、大手デベロッパーでさえも規模の小さな工事は発注先が決まっていないと聞きますので、今後益々事態が深刻になっていくことを心配しています。今後マンション建設などでは、発注先のランクをどんどん下げていき、品質が下がっていくことも考えられますので、新築マンションを選ぶ上では、施工業者の確認が今まで以上に大切だと思います。



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2013年9月10日火曜日

消費税に関するおかしな議論-消費税転嫁対策特別措置法

8月末に行われた有識者会議で約7割が消費税に賛成し、2020年の東京オリンピック開催が決定、さらには4-6月期のGDPの実質成長率が3.8%に上方修正されるなど、消費税増税に向けて、環境整備が着々と進んでいます。消費税増税にあたっては、景気への配慮として何らかの対策が打たれるとは思いますが、それでも財政健全化のために消費税を増税する以上、その規模は増税分の一部に過ぎないでしょう。

僕は消費税増税についてはやむをえないと思っていますが、以前から政府がおかしな議論をしていることを危惧しています。それは、消費税の転嫁を巡ってつくられた「消費税転嫁対策特別措置法」です。一時期、「消費税増税還元セール」はダメだけれども「3%値引きセール」だったら良いというような話が話題になりましたが、その議論です。消費税は最終的には消費者が負担すべきものだから、販売価格を値引きしてその分を仕入先に転嫁することを禁止するというもので、中小企業の保護につながるというのが政府の理屈です。一方で、これまで総額表示が原則とされていたのが、増税後は外税表示が認められるようになり、ある意味消費者の目をごまかして転嫁することを政府が認めているかたちになります。

価格は需給によって決まるものであり、消費者から見れば税込み金額が重要になります。そこで、消費税と関連付けた値引きはダメだけれど単なる値引きだったら良いというのは全くナンセンスな議論です。税込価格が上昇して商品の売れ行きが悪くなれば値引きしてでも販売しようとしますし、そうなると仕入価格を下げようとするのは通常の経済行為だと思います。それを変な理屈で勝手に線を引こうとするのには無理があるでしょう。さらに、その無理を通すために、中小企業庁と公正取引委員会で合計約600名を採用すると報じられています。財政健全化のための増税が、思わぬ財政支出増を招くという本末転倒なことが起きようとしています。こうした無駄なことを考えているから、多くの人が官僚に対して不信感を持ち、増税を支持しないのではないかと思います。



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2013年9月9日月曜日

金融緩和の効果がなかなか広がらない現実

黒田総裁就任後の異次元の金融緩和で、日銀のバランスシートはどんどん膨らみ、マネタリーベースは増えていますが、それがマネーストックの増加にほとんど繋がっていません。金融緩和の目的は、世の中に流れるお金の量を増やすことで景気を良くしようというものですが、これまでのところ、日銀による大量の国債等の買い入れによって、銀行の日銀預金が増えるだけで、銀行の貸し出しはほとんど増えていないのが実情です。

銀行の言い分では資金需要が弱いため貸し出しが伸びないと言うことですが、それは銀行が貸せる先が始めから絞り込まれているために、限られた融資先だけに貸し出し競争が行われ、それ以外の本当に資金が必要な先には資金が回らないようになっています。

このようなことになった理由の一つには、銀行の数が減ってしまったことが挙げられます。かつては都市銀行が10行、長信銀が3行あり、それぞれそれなりに独自性があったため、ある銀行で融資を断られても他の銀行で借入できることがありました。ところが今は、都市銀行は4行に集約されてしまいました。さらに、金融庁の検査マニュアルに導入によって、画一的な基準で債務者区分が行われ、融資方針が決まるようになってしまいました。こうして大手銀行は競争原理が働きにくくなり、融資判断の基準も銀行毎の特徴がなくなってしまったために、国内企業向けの融資が増えにくくなったのです。

円安により輸入物価や電気料金が上昇したため、物価が上昇しつつあります。インフレターゲットといっても、そこで目指していたインフレとは、需要の増加による物価の上昇であり、コストアップによる物価の上昇ではないはずです。このままでは、2%のインフレ目標は達成でき、さらに資産インフレが発生することはあっても、景気の腰折れが早々と起きてしまうのではないかと心配しています。

2020年の東京オリンピック開催が決定したことで、これから7年間、東京を中心に公共投資によるインフラ整備が進み、大きな需要が生み出されることでしょう。それが日本経済にとってプラスとなるのか、それとも大きな財政赤字を残してバブルが崩壊してしまうのか、注意してみていく必要があります。



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2013年9月8日日曜日

企業の中で資格を活かす-これからの士業のあり方

弁護士や公認会計士の合格者が増え、有資格者の就職が難しいという話をよく耳にしますが、その理由として、当初期待されたように企業内専門家としての就職が進んでいないことが挙げられます。僕は公認会計士と税理士の資格を持っていますが、会計事務所や監査法人に勤めたことはありません。はじめから資格で食べていこうとは思っていませんでした。

公認会計士という資格は、監査業務を独占的にできる国家資格ですが、そのことの価値がどれくらいあるかと言われると、そんなに高いものではないと感じています。監査業務の対象は大企業なわけですから、個人で独立して事務所を開業しても、監査で食べていくことはできないでしょう。一般的には、試験に合格すると監査法人に就職することになります。それは、普通のサラリーマンになることになることを意味します。もちろん監査に行けば、クライアントからは新人であっても「先生」と呼ばれるかもしれませんが、別に尊敬されているわけではありません。監査法人で出世するために重要なことは、専門的な知識ではなく、営業力であり、いかに優良なクライアント獲得するかがパートナーの最も重要な使命になります。このことは独立しても同じことです。つまり、資格で成功するためには、専門的な知識以上に営業力が求められるのです。

ここで、なぜ弁護士や公認会計士などの難関資格合格者の企業への就職が進んでいないのでしょうか?僕は、企業と資格保有者との間に大きな認識のギャップがあるためではないかと思います。このギャップとは、企業からすれば試験の合格しただけの有資格者は、それだけでは即戦力にはなり得ない一方で、有資格者からすれば、苦労して多大な費用と時間をかけて試験に合格したのに一般社員と同等条件で入社するのでは割が合わないと考えるところにあります。

したがって、これは僕の考え方ですが、まずは資格そのものには大した価値はないと割り切った上で、資格取得の過程で学んだことを自分の強みとして、企業の中でスペシャリティのあるジェネラリストを目指すというのが、これから求められる士業のあり方ではないかと思います。外部の専門家を使いこなすためには、一定の専門知識は必要ですし、逆に外部の専門家では企業の戦略に沿った主体的な提案を期待することはなかなか難しいのが実情です。また、専門的知識の裏付けのない事業戦略は実行可能性に問題が出てくる可能性もあります。そこで、専門性を持ったマネジメントは、これからより企業に求められる人材ではないかと思います。

そこで気を付けなければならないことは、公認会計士の資格を持っているから経理要員として採用されるということは、できるだけ避けた方が良いということです。それでは単なる専門家にしかなれません。財務的な素養は、経理部以外でもいろんな場面で使うことができるはずです。はじめから資格を活かそうと考えるのではないく、事業そのものに携わる中で、財務的な素養を活かしていくということを目指すべきでしょう。

ただ、そのための大前提としては、資格取得のためにあまり時間をかけないということが重要になります。ある程度若くないと企業での採用は難しいでしょう。そもそも、今の資格制度では、資格は独立開業のためのフリーパスでも何でもないので、余程の事業ビジョンや信念がない限り、会社を辞めたり、何年もフリーターをして資格取得を目指す程の価値はありません。一方で、資格がなくてもそれなりのキャリアを持っていれば、転職市場では資格保有者より高い価値が付きます。難関資格の取得にはそれなりの時間と費用がかかるだけに、単なる憧れだけでなく、資格取得後の現実を見据えた上で資格取得を目指すべきです。

資格取得を考える上で、こんな本も参考になります。




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2013年9月6日金曜日

消費税増税を主張する新聞のエゴ

来年4月からの消費税増税に向けて、環境整備が進んでいます。賛否両論ありますが、そもそも消費税の増税はけしからんという意見、現状で増税すれば景気にマイナスだという意見、増税を先送りすれば国債が暴落して、金利が高騰するという意見の3つに大別されます。

僕自身は、決めたことはやるべきであり、少なくとも今の景気は野田政権で増税を決めたときよりは好転しているので、先送りをする理由にはならないと考えています。

ところで、なぜか新聞は軽減税率を適用すべきと主張しています。日経新聞なんかは、消費税増税を先送りするなと主張してきていましたが、今日の朝刊には、「新聞に軽減税率適用を」とする日本新聞協会会長の諮問機関の研究会意見書の要旨を掲載していました。

その理由が、「新聞は衣食住に次ぐ必需品だ」とか、「新聞購読率の低下が、日本の誇るべき文化や民主政治を後退させるとの懸念もある」などという、荒唐無稽なものです。こんな理由を見て、新聞業界以外誰が納得するでしょうか?

このように、世間の常識と新聞業界の意識に大きなギャップがあるからこそ、新聞離れが進んでいるのではないかと思います。とにかく今日は、新聞の紙面を業界のエゴのために割いているのを見て、とても腹が立ちました。


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2013年9月5日木曜日

マーケットにおける「ジブリの法則」

マーケットでは、アメリカの雇用統計が発表される第一金曜日の夜にジブリ作品がテレビで放映されると、統計の数字が市場予想を下回り、その結果、ドルが売られて円高ドル安になって株価が乱高下氏やするなるという「ジブリの法則」というものがあるようです。この言葉を今日はじめて知りました。

2010年以降の実績を見ると的中率は90%というから驚きですが、正直、アメリカの雇用統計とジブリ作品という何の関連性もないものを結び付けてそこに因果関係を認めるのに何の合理性もないと思います。まあ、ゲン担ぎのようなものでしょうが、マーケットは常に合理的に動くとは限らず、むしろ皆がどう思うかで動いてしまうものなので、「ジブリの法則」を皆が信じれば、本当にマーケットに波乱が起るのかもしれません。

今週末の場合、「ジブリの法則」以上に重要なポイントは、2020年の五輪開催地の決定でしょう。これで東京に決まるかどうかで、株価は大きく変動するはずです。株価は5月23日の暴落以来、上昇の勢いを失っており、何かネガティブなきっかけがあると、売りが仕掛けられやすい環境にあるのではないかと思います。もちろん個人的には是非東京に決まって欲しいと思っていますが、東京が落選した場合は、一時的には大きく株価が下がる可能性があります。


「ジブリの法則」に戦々恐々 第1金曜にTV放映、円高・株安…的中率9割(Sankei Biz)



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採用面接をして感じたこと

これまで新卒採用の面接を銀行員時代と今の会社で何度かやったことがあります。それぞれ時代や業種は違いますが、どちらでも感じたことは、学生の話がほとんど定型化されていて何人かの面接を連続してやると本当に飽きてくるということです。

もちろん本人はこれからの人生を賭けて真剣に取り組んでいるんだと思いますが、マニュアルに縛られすぎて、努力する方向を間違っているのではないかと感じます。もちろん自分の性格ややりたいこと、業界研究を総合して、いろんなストーリーを組み立てて面接に臨むのだと思いますが、例えば大学時代にやっていたことを聞けば、皆サークルかバイトでいかにリーダーシップを発揮したかといった話ばかりで、勉強の話は聞いたことなんてありません。自分の長所と短所といった自己分析について質問すれば、マニュアルどおりに短所の説明の中でも必ずそれが長所や個性と受け取れるような説明をしてきます。

そうなってくると、あえてマニュアル本などを研究していない学生の方が、一見プレゼン能力は低くても新鮮に感じてしまいます。だから、あまりマニュアルに縛られず、自分の個性をぶつけてダメなら縁のない会社だと割り切って、無理に自分を演じない方がかえってうまくいくと思います。それ以上に大切なことは、まずそれまでの人生をどれだけ問題意識を持ちながら充実した時間を過ごしてきたかということです。充実した時間を過ごしていれば、テクニックではなく自ずと自分の言葉で語れることがあるでしょう。

さらに言えば、学生時代に知ることのできる企業の数なんて、たかが知れています。連続して不採用となると精神的には凹むと思いますが、とにかくどこかの会社にすべりこんで社会人になれば、キャリアアップのチャンスはいくらでもあります。中途採用なんて、急に人が必要になったときは、それこそ猫の手も借りたいくらいの勢いで採用したりすることもありますので(大企業ではそんなことはないのかもしれませんが)。



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2013年8月24日土曜日

いつも見出しだけが踊る優遇税制の議論-投資減税について

政府が今秋の成長戦略第2弾の投資減税の目玉の一つとして、企業の設備投資の一定額を法人税から差し引く「税額控除」の導入が検討されているようです。税額控除の期間は5年、控除できる税額は設備投資額の3%となる見通しだそうです。

これを見て、「今秋の成長戦略第2弾の投資減税の目玉」としてはあまりに小粒じゃないかと感じたのは僕だけでしょうか?

確かに、もともと設備投資を考えていた企業からすればメリットがあると思いますが、設備投資の意思決定においてどれだけの影響があるかは疑問です。つまり、投資を誘発する効果としては極めて薄いとしか考えられません。そもそも財政再建のためにいろいろ問題点を指摘されていながら消費税を増税しようとしているのですから、財務省が大盤振る舞いをするわけはありません。結局「見出し」だけが踊ることになるのは確実でしょう。

企業が設備投資をする上でまず考えることはそこから生まれる収益であり、投資にかかるコストです。税金が減るからまず設備投資をしようと考える人はいないでしょう。設備投資を増やしたければ、国としてできることはまず規制緩和で新しい市場が生まれるのを後押しすることでないでしょうか?小手先の税制改正だけでできることは限られています。

つい先日には、旅館、ホテルで固定資産税を減税する話が出ていました。内容は建物の経過年数を50年から40年にしようというような話でしたが、これもせこい話だと思います。地方で経営の苦しい旅館などは、バブル期の過大投資のせいで固定資産税評価額40億円のものが売買では数億円程度の評価となるケースもあります。こうした売買で問題となるのが固定資産税負担の重さに加え、登録免許税や不動産取得税といった売買にかかってくる税金です。これらの税金もすべて固定資産税評価額に連動していますので、どうせやるならこの固定資産税評価額を収益還元法に基づく時価に評価替えをするくらいのことがなければインパクトはありません。地方の旅館、ホテルの再生のためならこれくらい思い切ったことをすれば、赤字が黒字になって追加投資ができるようになったり、より資金力のある会社が買って大々的にリニューアル投資をすることも期待できます。

優遇税制は小さなところで帳尻を合わせようとして、本来の目的に対してあまり意味のないものになりがちですので、安倍首相にはもっと思い切った成長戦略と連動する投資減税を期待したいと思います。

投資減税 3%の税額控除を検討 政府、現在より条件緩和



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2013年8月18日日曜日

「租税回避」について考えてみる

税金を減らす方法を、「節税」、「脱税」、「租税回避」の3つに分類することがあります。簡単に言えば、「節税」はシロ、「脱税」はクロ、「租税回避」はグレーということになります。

「節税」はもともと認められている特例や経理処理の方法を使うことなので、適用要件さえ誤らなければ問題になることはないでしょう。「脱税」は所得をごまかすためにウソをつくことなので犯罪になってしまいます。だから、これはやめましょう。それでは「租税回避」というのはどういうものかを簡単に説明します。

「租税回避」とは、学問的な定義はともかく、感覚的には、対象となる取引や経理処理の方法自体は合法的であっても、税金を不当に減らす目的以外に経済的合理性がない取引のことを指します。

例えば、法人が含み損を持っている土地を100%子会社に売っても、グループ法人税制が適用され、含み損は税務上繰り延べられることになるため、税務上は問題になりませんが、この土地を100%株主(個人)に売った場合は、グループ法人税制が適用されませんので、含み損が税務上実現することになります。土地を売った法人が黒字だった場合には税金を減らすことができます。

こうなると税務調査のときには、この土地売却の取引に合理性があったかどうかを調査官と争うことになります。売買契約書も取締役会議事録もあり、土地の鑑定評価を取っていれば、表面的には問題になりませんが、土地を買ったオーナー株主の買取資金が例えば土地を売った会社から貸し付けていた場合なんかは危ないかもしれません。調査官がこの取引を否認する法的根拠は「同族会社の行為計算の否認」ということになります。まあ、伝家の宝刀みたいなもので適用される例は少ないですが。

ここで挙げた例は単純なものですが、現実にはより複雑な手法を使って租税回避行為が行われているものと思います。取引そのものは合法的なものであれば、あとはどれだけ税金以外の点で経済合理性を説明できるかがミソになります。2011年2月に最高裁で判決が出た武富士事件では贈与税を巡る税務訴訟で元会長の長男が勝訴したことで話題になりましたが、その判決文の捕捉意見で次のような記述があります。
憲法30条は、国民は法律の定めるところによってのみ納税の義務を負うと規定し、同法84条は,課税の要件は法律に定められなければならないことを規定する。納税は国民に義務を課するものであるところからして、この租税法律主義の下で課税要件は明確なものでなければならず、これを規定する条文は厳格な解釈が要求されるのである。明確な根拠が認められないのに、安易に拡張解釈,類推解釈,権利濫用法理の適用などの特別の法解釈や特別の事実認定を行って、租税回避の否認をして課税することは許されないというべきである。
いいこと言っていますね。税務調査では時として安易な拡大解釈で否認しようとしてきますので、しっかり理論武装した上で、この判決文を根拠に戦っていく必要があります。

2013年8月17日土曜日

「ブラック企業」の全てがブラックなのか?

最近「ブラック企業」というものが話題になっています。労働法規を無視し、長時間従業員を酷使し、理由をつけては給料を支払わなかったり、パワハラで従業員を精神的に潰してしまう企業のことを指しているようです。

こうした表現を使えばどんでもない企業であり、法的及び社会的制裁を受けるべきという批判が当然のように思えますが、現実には結構グレーゾーンがあったり、従業員側の言い分が一方的に報じられている面もあるのではないかと感じます。

例えば「サービス残業」という言葉をとっても、今の労働法規が現実を反映したものか疑問に感じます。工場のベルトコンベアで働くような場合は、時間で作業量が決まっているため、労働時間に応じて給料を支払われるべきであり、受付のようにそこにいること自体が仕事であればこれも労働時間に応じて給料を支払われるべきでしょう。でも、一般的な事務職の場合、人によって生産性の差は大きく、単純に労働時間で成果が変わってくるわけではありませんし、仕事ができない人ほど時間がかかって残業をし、結果としてできる人より給料をもらうということになってしまいます。

パワハラについても、昔であれば当然のようなことを言っても、最近の人達はストレス耐性が低く、すぐに「パワハラだ」と騒ぎ出すか、心身症になったと言って会社を休んでしまいます。そうなると「弱い」ことが正しいと言うのでしょうか?こうした風潮から、管理職の方が部下に気を遣いながら仕事をしなければならないというおかしなことが起ります。でもそんなぬるま湯で育てられた人材が、外の厳しい環境でまともに仕事ができるのかは疑問です。

もちろん、労働法規は法律であり、「悪法も法なり」ですから守らざるをえず、うちの会社もかつては8時50分から朝礼をやっていたのが、始業時間である9時からに変更されました。ばかばかしいと思いつつも、これが法律です。

コンプライアンスの名の下に「弱者」と呼ばれる人達が力を持ちました。企業は掲示板やツイッターなどで書かれれば、社会的に大きなダメージを受けることになりかねません。こうした「ブラック企業」叩きが行き過ぎるとどうなるでしょうか?結果的には雇用を抑えることになります。労働者を保護しようとすればするほどパイが小さくなるのが現実です。政治家のセンセイは企業を悪者にすれば話が簡単かもしれませんが、こうしたことも良くわかった上で政策を考えていただきたいと思います。



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2013年8月13日火曜日

消費税増税とセットでやるべきことは法人税ではなく所得税の減税です。

4-6月期の実質GDPが発表され、年率2.6%の成長となりました。来年4月からの消費税率アップを決める上で重要な指標とされていましたので、これで消費税増税に弾みがついたことになります。

今朝の日経新聞では、安倍首相が法人税率引き下げの検討を指示したと報じられています。国際競争力という観点では喜ばしいことではありますが、これは結果的に金持ち優遇になってしまいます。

サラリーマンは所得を完全に捕捉されてしまいます。そのため毎月の給与から源泉税を確実に引かれ、さらに年末調整がほぼ自動的に行われます。一方で、多くの金持ちは法人を作って所得を自由に移転することができますので、個人の所得を法人に移してしまえば、より低い税率で済むことになります。

そもそも財政再建のために消費税増税を決めたわけですから、法人税の減税幅は当然、消費税の増税分より小さくなるはずです。しかも、法人税が減ったからと言っても、業績そのもの(この場合、営業利益や経常利益を想定)は変わらないため、企業は従業員の給料を増やそうという行動にはつながらないでしょう。そうなると一般のサラリーマンは消費税の増税分の負担が増えるだけで終わってしまいます。

僕は社会全体で広く税金を負担すべきと考えていますので、消費税増税によって間接税の割合がアップすること自体は賛成です。法人税を支払っている法人は全体の3割程度しかありませんので、法人税を減税するよりは、所得税を減税した方が一般的なサラリーマンとっての恩恵が大きく、景気への影響はより小さくなると考えます。

企業の国際競争力、海外からの投資の呼び込みという観点から、法人税を減税すべきという主張が良く見られますが、海外からの投資の呼び込みであれば特区を作って限定的に低い税率を適用すればよく、そもそも財務省の発想から言って、企業が日本に残るか海外に移転するかの意思決定に影響を与えるほど大きな減税はありえないでしょう。


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またしても黒田総裁は「増税でも成長」と発言。条件付きで支持しますが。



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2013年8月10日土曜日

またしても黒田総裁は「増税でも成長」と発言。条件付きで支持しますが。

8月8日の金融政策決定会合後の記者会見で、黒田日銀総裁は、消費税率を予定通り2段階で引き上げても、14年度、15年度ともに1%台の実質経済成長率を保てるとの見方を示しました。

政府でも来年4月からの消費税率引き上げの可否について結論を出さなければならないタイミングが近付いてきているわけですが、このところ黒田総裁は増税の援護射撃をするような発言をしています。

増税を先送りして日本の財政規律に対する信任が失われることで国債が暴落し、金利の高騰を招くことを避けたいという立場と、財務省出身で念願の消費税増税を何としても成就させたいという立場、それから総裁就任の経緯から安倍首相を何としても支えなければならない立場など、様々な立場から考えても、黒田総裁の立場からは消費税増税の支持する発言しかできないでしょう。

個人的には所得税を減税してくれるなら消費税はやむを得ないと思っています。この世の中、所得税にしても法人税にしても払っていない人(会社)の数が多すぎます。色々問題はあるとはいえ、様々なインフラを使い、行政のサービスを利用しているにもかかわらず、一部の人や企業が多くの税金を負担しているのは釈然としないものがあります。消費税であれば、ほとんど誤魔化しようがないでしょうから、まずは皆が税金を負担することになります。もちろん、逆進性の問題はありますので、還付等の措置は必要だとは思いますが。

消費税増税の景気への影響についても諸説ありますが、僕は駆け込み需要とその反動で一時的な影響はあるかもしれませんが、長期的に均して見れば、影響は軽微だと思っています。

それよりも税金の世界で、サラリーマンが一番割を食っているのが問題だと思います。サラリーマンは所得をがっちり捕捉され、源泉徴収で税金が給与天引きになるので、誤魔化しようがありません。会社に隠れてバイトをしていた場合でも、バイト先がまともな会社なら、一定の源泉徴収はされるでしょう。個人事業主であれば、事業が順調であれば経費の取り扱いについては一定の裁量でコントロールできますので、節税ができます。大金持ちの資産家ともなれば、あらゆる手段を駆使して節税ができるでしょう。消費税増税と合わせて所得税の最高税率も40%(住民税を含めて50%)から45%(同55%)に引き上げられました。その一方で、国際競争力という観点から、トレンドとして法人税率はこれからも低下していきます。そうすると、高所得者の所得税率が上がっても、会社を作ってそこに利益を落とすようにすればそれだけで逆に税金を減らすことができます。会社のオーナーなどはそういったことが自由にできるでしょう。

少子高齢化で社会保障費の負担が増え、格差社会で税金を負担できない層の割合が増え、大金持ちは節税策を駆使し、あるいは国外逃亡すると、日本経済を支えるサラリーマンがどんどん疲弊していきます。そうなると、「国は誰をどこまで助け、その費用を誰が負担するのか」という問題に立ち返らなければならなくなりますが、この中間層を疲弊させては国の発展はありません。これまで1年交替で首相が変わり、政権として長期的な視点に立って物事を考えることが出来なかったと思いますが、安倍政権が長期政権となって、こうした問題にも腰を据えて取り組んでもらいたいと思います。



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2013年8月5日月曜日

リニア中央新幹線のルートについて考える

産経新聞から配信されたニュース「JR東海、京都のリニア誘致に辟易 ”上から目線”の要望に「えっ?」」を読んで、恥ずかしながら、リニアのルートがほぼ決定されていること、そして京都がそのルートから外れていることを知りました。

京都出身のぼくとしては、やはり、これまで新幹線の「ひかり」も「のぞみ」も停車してきたので、当然リニアも京都に来るだろうと思っていました。京都のロビー活動が甘かったのでしょうか?

ただ、新幹線がありながら、何のためにわざわざ莫大な費用をかけてリニアを開通させるかということを考えると、やはり移動時間の短縮が最大の目的のはずです。それなら、東京と名古屋と大阪に停まれば十分なのではないでしょうか?それを、自分の県を通るのなら県内に駅を造れとか、それなら自分の県を通れとか、いろいろ言い出すと、結局中途半端なものになってしまいます。

地方分権が、あたかもいいことのように言われていますが、国として最適な輸送手段のあり方や交通網の整備は、地方分権だけでは達成できないでしょう。とは言っても、これまで政府のやってきたことは、力のある国会議員の出身地を優遇してきたわけですから、偉そうなことは言えないのでしょうが。

名古屋-大阪間のルートの話をすれば、リニアが京都に停まらないのは残念ですが、大阪に停まるのであれば、仕方がないと考えるべきでしょう。むしろ奈良に停まる必要性があるのかも疑問に感じます。

リニアは新幹線に比べて劇的に速くならなければ、意味がありません。多額の費用をかけて、駅を沢山造っては、無意味です。大災害時の代替手段としての役割だけであれば、北陸新幹線を早期に大阪まで延長させた方がよほどコストがかからないのではないでしょうか?


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2013年8月4日日曜日

麻生副総理の「ナチス」発言のどこが悪いのですか?

麻生副総理兼財務相の8月2日の記者会見での発言が物議を醸しています。
この発言については、ネット上でも様々な意見が出されていますが、今更ながら僕なりに考えてみたいと思います。

麻生氏の発言の中で、憲法改正について「憲法もある日気が付いたら、ワイマール憲法もいつの間にナチス憲法に変わっていた。誰も気が付かないで変わった。あの手口、学んだらどうかね。」という点が、ナチスを正当化するものだということで、内外のメディアや野党から非難を受けています。

メディアの報道を表面だけ見ると、「麻生さんがまた血迷ったことを言った」という印象を受けてしまいます。ただメディアというものは、麻生氏が首相だった頃にはカップラーメンの値段を知らないなどというくだらないことで批判したり、セレブぶりを揶揄したりと、本質的な政策議論ではないことろで、世論にバイアスを刷り込み、その結果民主党政権が誕生したことは記憶に新しいところです。

麻生氏の発言に話を戻すと、本当に言いたかったことは、「憲法改正も、護憲と叫んでいれば平和が来るなんて思ったら大間違いだし、改憲できたからといって世の中が全てうまくいく、(と考えるのは)全然違う。改憲は単なる手段で、目的は国家の安寧とわれわれの生命財産の保全だ。この手段をどうやって現実的にするかというとき、狂騒の中で決めてほしくない。よく落ち着いた世論の上に憲法改正は成し遂げられるべきだ。そうしないと間違ったものになりかねない。」というところです。

確かにナチス云々のくだりは意味不明で誤解を受けやすいところではありますが、発言全体の意味を考えれば、感情的なイデオロギーを煽るのではなく、現実の国際社会を見据えた上で、冷静に議論すべきという、真っ当なことを言っているとしか思えません。原稿を読んでいるわけではないので、言葉尻だけを捉えればいくらでも不適切な発言を捏造することができますし、そんなことをして閣僚を辞めさせることが国益のどれだけプラスになると言うのでしょうか?

これまでにも多くの首相や閣僚がこうした発言の「捏造」によって職を辞することになってきました。日本にはこれから解決していかなければならない問題がたくさんあります。政治家はくだらない言葉のあやで閣僚の足を引っ張るのではなく、正々堂々と政策を議論し、メディアは日本の国益のため、複雑な論点を中立的な立場で国民に向けてわかりやすく発信するのが本来の姿ではないでしょうか?

まずは麻生氏の発言要旨を実際に読まれることをおすすめします。




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2013年8月2日金曜日

インフレについて考える

これまでデフレは悪いことで、適度なインフレが望ましいとよく言われています。

エコノミストたちは、人々はデフレだとモノの値段がまだ下がるだろうと思うからモノを買うのを先送りしようとし、インフレだとモノの値段がこれから上がると思うから早くモノを買おうとするのだと言います。

黒田日銀総裁は就任時に2%インフレの達成に向けての不退転の決意を表明し、異次元の金融緩和を打ち出しました。その結果、円安が進み、株高が進みました。物価の方も上昇の兆しか見えてきたようです。

でもインフレになって本当に景気が良くなるのでしょうか?


2013年7月30日火曜日

日銀総裁:消費税引き上げで「日本経済の成長は大きく損なわれない」

Bloonbergの配信記事によると、7月29日午後の講演で、日銀の黒田総裁は消費税率引き上げについて、「日本経済の成長が大きく損なわれるということにはならない」との見方を示したようです。さすがは財務省出資の黒田総裁ですね。しっかり財務省の筋書きに沿った発言をしています。

消費税引き上げに反対するエコノミストは、1997年4月に消費税率が3%から5%に引き上げられたとき、大きく景気が後退したことを引き合いに出します。一方消費税引き上げに賛成するエコノミストは、1997年の景気後退は消費税率引き上げが原因ではなく、アジアの通貨危機やその後日本で起こった金融危機によるものだと主張しています。官庁エコノミストは、当然後者の見解をとっています。

さて、一体どちらが正しいのでしょうか?

2013年7月25日木曜日

三井住友銀がSG信託銀買収で合意

Yahooニュースを見ていたら、ロイター配信の記事で、「三井住友銀がSG信託銀買収で合意、富裕者ビジネスを拡大」という見出しが目に付きました。

ソシエテ・ジェネラル本体を買収するならすごい話ですが、日本法人の信託銀行といっても「どれほど存在感があったっけ?」という印象です。

残念ながら私自身は富裕者のカテゴリには属しませんが、ワン・オーナー企業の役員をやっていますので、いろんな金融機関のプライベート・バンキング部門の人ががオーナーに提案したいとやってきます。でもそのほとんどはつまらない投信やデリバティブ商品、あるいは保険の売り込みで、たまに不動産の情報があるくらいです。税制に関しても、一般的な解説資料を持ってきますが、そんなものに全く付加価値はなく、もっとこちらのニーズに刺さるような提案をしてもらいたいものです

日本の場合は業法の問題もあり、銀行のプライベートバンキング部門でできることは限られているので仕方がないのかもしれません。以前に比べると銀行と証券の垣根も低くなりましたが、それでも驚くような提案が出てくることはめったにありません。本当の富裕者は、お金を増やすのは自分の事業でやるので、いかに税金で自分の資産を減らさないかの方により大きな関心があるように思います

三井住友銀行の今回の買収は、顧客ベースの拡大には繋がるかもしれませんが、もっと踏み込んだ富裕者向けのサービスを考えてもらいたいものです。