2013年9月9日月曜日

金融緩和の効果がなかなか広がらない現実

黒田総裁就任後の異次元の金融緩和で、日銀のバランスシートはどんどん膨らみ、マネタリーベースは増えていますが、それがマネーストックの増加にほとんど繋がっていません。金融緩和の目的は、世の中に流れるお金の量を増やすことで景気を良くしようというものですが、これまでのところ、日銀による大量の国債等の買い入れによって、銀行の日銀預金が増えるだけで、銀行の貸し出しはほとんど増えていないのが実情です。

銀行の言い分では資金需要が弱いため貸し出しが伸びないと言うことですが、それは銀行が貸せる先が始めから絞り込まれているために、限られた融資先だけに貸し出し競争が行われ、それ以外の本当に資金が必要な先には資金が回らないようになっています。

このようなことになった理由の一つには、銀行の数が減ってしまったことが挙げられます。かつては都市銀行が10行、長信銀が3行あり、それぞれそれなりに独自性があったため、ある銀行で融資を断られても他の銀行で借入できることがありました。ところが今は、都市銀行は4行に集約されてしまいました。さらに、金融庁の検査マニュアルに導入によって、画一的な基準で債務者区分が行われ、融資方針が決まるようになってしまいました。こうして大手銀行は競争原理が働きにくくなり、融資判断の基準も銀行毎の特徴がなくなってしまったために、国内企業向けの融資が増えにくくなったのです。

円安により輸入物価や電気料金が上昇したため、物価が上昇しつつあります。インフレターゲットといっても、そこで目指していたインフレとは、需要の増加による物価の上昇であり、コストアップによる物価の上昇ではないはずです。このままでは、2%のインフレ目標は達成でき、さらに資産インフレが発生することはあっても、景気の腰折れが早々と起きてしまうのではないかと心配しています。

2020年の東京オリンピック開催が決定したことで、これから7年間、東京を中心に公共投資によるインフラ整備が進み、大きな需要が生み出されることでしょう。それが日本経済にとってプラスとなるのか、それとも大きな財政赤字を残してバブルが崩壊してしまうのか、注意してみていく必要があります。



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