障害者が自立するための施設として、共同作業所がありますが、民間の共同作業所の現実は、障害者の自立とは程遠く、そこで得られる給料は月給1万円未満と言われています。つまり、そこは生活の糧を得る場ではなく、障害者の居場所としての意味しかなく、しかもボランティアの善意によって支えられて何とか僅かばかりの金銭を給料として支払っているにすぎません。
もちろん、福祉を支えている多くの人の善意と努力は認めなければならないでしょうが、ヤマト運輸の創業者である小倉昌男氏は、障害者の働く場である共同作業所にも経営の視点を持ち込み、市場経済の中で物を売り、サービスを提供することで、障害者の所得も増え、そのことで生活の目標が生まれて必ず次の要求が出てくる、そういうことがノーマライゼーションだと言っています。
「福祉」と「金儲け」とは本来相容れないもののようにも思えますが、福祉としての仕組みが持続していくためには、資金が安定的に回っていく必要があります。赤字の事業は長続きすることは不可能です。また、月給1万円程度では働いて稼いで生活していくというには程遠いものです。障害者が働くことで生きがいを感じられるようにしようと思えば、市場経済の中で物やサービスを提供し、適正な対価を得るという経済活動が必要となります。
小倉氏は、1995年にヤマト運輸の会長を退任した後は、ヤマト福祉財団の理事長職に専念し、障害者の自立支援にあたったそうです。民間企業に障害者雇用を義務付けることも必要だとは思いますが、小倉氏のように障害者が普通に働ける場を作り、そこで普通の経済活動ができるという発想こそが福祉には求められているのだと思います。
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