2014年10月4日土曜日

プロの情報分析術を学ぶ-『私の「情報分析術」超入門 仕事に効く世界の捉え方』



世の中に情報が溢れ、インターネットを通じて様々な情報に簡単にアクセスできるがゆえに、それらの情報を以下に入手し、整理・分析するかが問われています。情報のプロとも言えるインテリジェンスの経験を持つ著者による情報分析術は、ビジネスパーソンとしても大変興味があるところです。

この本は、第一章で情報分析の手法を解説し、第二章以降で実践篇として、情報分析手法を駆使して世界情勢や日本を分析をしています。

インテリジェンスの仕事といっても、盗聴や工作員を通して極秘情報を得るケースは極めて限られていて、大半は公開されている情報の分析であるということを聞いたことがあります。したがって、この本の第一章で書かれていることは、ビジネスにおいても大変参考になります。

例えば、政府の公式サイトは「積極的な嘘」をつかない、とありますが、その裏にはミスリードさせるためにあえて一部の情報を開示にしなかったり、ごまかしがあったりすることがあるというのです。こうした裏を見抜くのも情報分析力ということになります。

また、複数紙を読み比べることや、スクラップブック、手書きノートなどのアナログ的な手法が重視されているのも参考になります。どうしても多くの情報を集めることを重視しがちですが、著者は情報を記憶に定着させ、縦横無尽に引き出すことこそが大切なのだと言っています。また、基礎的な教養を重視している点は特徴的でしょう。

第二章以降の実践篇ではさすがにロシアや中東情勢は大変参考になる部分も多い一方で、歴史認識や公明党に対する評価、外務省の個人攻撃など首を傾げてしまうような記述も散見され、このあたりは人によって評価が分かれるでしょう。

そうは言っても、膨大な知識と教養を持ち、多くの著書を出版している著者の情報分析術のほんのさわりの部分だけだと思いますが、そこからも得るものは多くあると思います。


      ← 一日一クリックお願いします!
人気ブログランキングへ

0 件のコメント:

コメントを投稿