『読書について他二篇』 ショウペンハウエル著 岩波文庫
この本には「思索」「著作と文体」「読書について」の三部が収められています。
19世紀に書かれたこの本の指摘は、現代の日本の状況にもあてはまり、ショウペンハウエルの着眼の鋭さと、人間の本質の普遍性を感じます。
出版業界に商業主義がはびこり、中身の薄い書籍がトレンドに乗って粗製乱造される一方で、古典的名著が書店から姿を消し、絶版になっている出版界の現状は、今に始まったことではないようです。
このように質の低い書籍が氾濫している中で、読書に忙殺され、自ら考えることを放棄してしまうことを著者は批判しています。とても耳の痛い話です。
読書を自らの思索の助けとするため、書籍の真贋を見極め、良書を大切に読んでいく習慣を身につけていくべきだと感じました。
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