2013年7月30日火曜日

日銀総裁:消費税引き上げで「日本経済の成長は大きく損なわれない」

Bloonbergの配信記事によると、7月29日午後の講演で、日銀の黒田総裁は消費税率引き上げについて、「日本経済の成長が大きく損なわれるということにはならない」との見方を示したようです。さすがは財務省出資の黒田総裁ですね。しっかり財務省の筋書きに沿った発言をしています。

消費税引き上げに反対するエコノミストは、1997年4月に消費税率が3%から5%に引き上げられたとき、大きく景気が後退したことを引き合いに出します。一方消費税引き上げに賛成するエコノミストは、1997年の景気後退は消費税率引き上げが原因ではなく、アジアの通貨危機やその後日本で起こった金融危機によるものだと主張しています。官庁エコノミストは、当然後者の見解をとっています。

さて、一体どちらが正しいのでしょうか?

突き詰めて考えると、税率引き上げの影響を捉える期間によって見方が違ってきています。つまり、短期的な影響を見れば、税率の引き上げは、引き上げ前の駆け込み需要とその反動による消費の落ち込みが出てくるでしょう。その結果、一時的にGDPの成長率は下がるかもしれません。一方、もう少し長期的に見ると、駆け込み需要とその反動の消費の落ち込みは一時的な消費のブレであった、均して見ればほとんど影響がないということになります。

経済学の理論はともかく、現実社会では結果が全てですので、多くの人が消費税率の引き上げが景気にマイナスだと考え、将来の不安から消費を抑制するようになれば、これまでのデフレ経済に逆戻りしてしまうかもしれません。逆に、もし消費税率の引き上げを先送りすれば、財政再建に対する不信感から国債が売り浴びせられ、長期金利が上昇するかもしれません。

参議院選挙で大勝した安倍政権は、これからギリギリのところで選択を迫られることになります。



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