この本は「脱税のススメ」という刺激的なタイトルですが、中身は至ってまともな税務調査対策マニュアルです。税務調査を受けるにあたって準備しておくべきことや、調査官が見るべきポイントが、さすが元国税調査官だけあって、具体的に書かれています。
僕も、今の会社で税務調査の対応をしたことがありますが、通常の調査であれば、そんなに厳しいことはありません。それでも何も知らずに受けてしまうと、見せなくてもいいものまで見せて墓穴を掘ったり、変な顛末書のようなものを書かされて、それが証拠となってしまうこともあります。
調査官はこちらが素人と思えば、法で認められた範囲を超えていろいろ言ってきますし、それにこちらが応じたら、あくまで任意で応じたことになるので注意が必要です。この本でも、「おとなしいことが罪である」と書かれていますが、こちらが調査で応じなければならないギリギリのラインを知った上で反撃しないと、調査官にいいようにやられてしまうのが現実です。そうならないためには、顧問税理士を選ぶ上でも、税務署べったりで、これまで税務調査で指摘事項がひとつもなかった、というような税理士は避けるべきでしょう。
戦うための武器の第一歩として、敵を知り、世の中の仕組みを知っておくために、この本をおすすめします。
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