2013年8月4日日曜日

麻生副総理の「ナチス」発言のどこが悪いのですか?

麻生副総理兼財務相の8月2日の記者会見での発言が物議を醸しています。
この発言については、ネット上でも様々な意見が出されていますが、今更ながら僕なりに考えてみたいと思います。

麻生氏の発言の中で、憲法改正について「憲法もある日気が付いたら、ワイマール憲法もいつの間にナチス憲法に変わっていた。誰も気が付かないで変わった。あの手口、学んだらどうかね。」という点が、ナチスを正当化するものだということで、内外のメディアや野党から非難を受けています。

メディアの報道を表面だけ見ると、「麻生さんがまた血迷ったことを言った」という印象を受けてしまいます。ただメディアというものは、麻生氏が首相だった頃にはカップラーメンの値段を知らないなどというくだらないことで批判したり、セレブぶりを揶揄したりと、本質的な政策議論ではないことろで、世論にバイアスを刷り込み、その結果民主党政権が誕生したことは記憶に新しいところです。

麻生氏の発言に話を戻すと、本当に言いたかったことは、「憲法改正も、護憲と叫んでいれば平和が来るなんて思ったら大間違いだし、改憲できたからといって世の中が全てうまくいく、(と考えるのは)全然違う。改憲は単なる手段で、目的は国家の安寧とわれわれの生命財産の保全だ。この手段をどうやって現実的にするかというとき、狂騒の中で決めてほしくない。よく落ち着いた世論の上に憲法改正は成し遂げられるべきだ。そうしないと間違ったものになりかねない。」というところです。

確かにナチス云々のくだりは意味不明で誤解を受けやすいところではありますが、発言全体の意味を考えれば、感情的なイデオロギーを煽るのではなく、現実の国際社会を見据えた上で、冷静に議論すべきという、真っ当なことを言っているとしか思えません。原稿を読んでいるわけではないので、言葉尻だけを捉えればいくらでも不適切な発言を捏造することができますし、そんなことをして閣僚を辞めさせることが国益のどれだけプラスになると言うのでしょうか?

これまでにも多くの首相や閣僚がこうした発言の「捏造」によって職を辞することになってきました。日本にはこれから解決していかなければならない問題がたくさんあります。政治家はくだらない言葉のあやで閣僚の足を引っ張るのではなく、正々堂々と政策を議論し、メディアは日本の国益のため、複雑な論点を中立的な立場で国民に向けてわかりやすく発信するのが本来の姿ではないでしょうか?

まずは麻生氏の発言要旨を実際に読まれることをおすすめします。




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